ときどき思い出したらそれでいい

記憶力が悪いのか、思い出したくないのか、たまにふと思い出したこと、考えたことを書いてみます。1977年生まれ、ぼんぼんと申します。

あなたの前に塀があります

突然ですが、

「イメージしてみてください。

 あなたの前に塀があります。それはどのくらいの高さですか?」

 

大学時代に出された心理クイズ。(みたいなもの)

答えは最後に。

 

サークルの1つ上の先輩で、もう名前を忘れてしまったけど、変な先輩がいた。

いつも一人で、でもサークル活動にはたまに顔を出して、変わり者なので1つ上の学年の先輩たちもあまり仲良くしてなくて、でも、独特な人に興味がある私はよくつきまとっていた。

先輩からは、「おまえみたいなバカと一緒にいたらバカがうつる」と小学生みたいなことをよく言われた。

このように馬鹿として扱われてはいたものの、実際に私は結構な馬鹿だったし、言葉使いは悪かったものの、先輩の乱暴な言葉に隠された優しさも感じていたので傷つくこともなく、そして何より先輩は頭がとても良かったので、色々と質問するときちんと賢い答えを返してくれるのがとても面白かった。

いま思えば、迷惑なヤローだったな。

でも、先輩は頭が良すぎて人間関係がうまく築けない人だったと思うので、それでたまには人間でも…という感じで、こんな変ちくりんの相手をしてくれたんだろう。

 

何かの時に、おまえはバカすぎるから本をたくさん読め、と言われた。

ごもっともだったのだけど、私は、読んでますよ~(少しは)と。

三浦綾子の『塩狩峠』は読んだか?と言われ、三浦綾子を知らないし読んでないと言うと、三浦綾子の小説を読まずに本を読んでいると言うな!と怒られた。

 

すぐ、『塩狩峠』を読んだ。

大学生なのにこんな本勧めてくるなんて、先輩スゲー!と。

その後も三浦綾子の本は何冊か読んだ。(全部読め、って感じだけど)

おすすめである。

 

先輩は私のことを割とかわいがってくれた。(と思う)

恋愛感情みたいなものはお互いに微塵もなく、馬鹿で能天気な後輩と、孤独な影を背負った賢い先輩だった。

先輩がサークルに顔を出していたのは1年間もなかった。(サークル活動をするのは1年生、2年生くらいだった)いつの間にか来なくなった。

今もどこかで元気にしているといいな、と思う。

 

先輩が他の人としゃべっているところはほとんど見たことがない。

ある時、「どうして先輩は他の人と話さないんですか?」と質問したら、「おまえと違ってプライドが高いんだよ」と。

「私だってプライド高いですよ!」と言ったら、じゃあということでされた質問が冒頭のもの。

 

「あなたの前に塀があります。それはどのくらいの高さですか?」(先輩の言葉遣いはもっともっと悪かっただろうけど)

 

当時の私の答え。

「このへんですかね」(首のところ)

 

「(絶句)…それでプライド高いって言わないんだよ!!」と。

先輩のはどのくらいか訊いたけど、頑なに教えてもらえなかった。きっと想像以上に高かったんだろう。

自分の身長の高さを基準にしてそれより高いとプライドが高い、低いとプライドが低い、ということらしい。

頭一つ分しか低くないなんて、プライド高いほうじゃん?と思った気がする。

友達とかいろんな人にやってみたけど、全然覚えてない。先輩のプライドが高すぎたことだけが妙に印象深い。

 

懐かしい。先輩の名前を忘れて、ほんとすみません、先輩(笑)

「だからおまえはバカなんだよ!」って言われそう(笑)

でも、楽しかったいい思い出。